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エビ・カニなどといった甲殻類、ハゼ・ウナギなどといった底生魚類、アユ・ウグイなどといった遊泳魚類は海と川を行き来して卵や幼生を生み、稚エビ・稚ガニ・稚魚が川を遡上・降河する性質(通し回遊性)を持っています。 河川には生活に必要な水、農業などに必要な水を確保するため、または暮らしの場を水害から守るために、堰、ダム、落差を伴った河川横断構造物が設置されています。これらの河川構造物が設置されても川の上・下流を行き来す水生生物の生態系が保全される工夫が必要です。 本研究では川を遡上・降河する水生生物に配慮した魚道の研究を行っています。 |
![]() 多自然研究N0.7,川エビの生活と魚道(浜野龍夫著)より抜粋 |
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遡上する水路(魚道)がない砂防堰堤![]() |
魚道があっても水生生物にとって入口 が分からなくさまよっている場合 ![]() |
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魚道があっても甲殻類、底生魚類にとって歩行して遡上することや這って遡上することが困難な場合![]() ![]() |
水理研究室では、歩行して遡上する甲殻類や這って遡上する底生魚類が遡上・降河できる魚道の提案を行いました。 | ||
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エビやカニなどの甲殻類や、ハゼ、ウナギといった底生魚類の遡上・降河に配慮した魚道を提案しました。 |
![]() 甲殻類・底生魚類に配慮した魚道 |
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![]() 甲殻類・底生魚類の遡上・降河に配慮した魚道に遊泳魚類の遡上を可能にした状態 |
甲殻類・底生魚類の遡上・降河に配慮した魚道に、アユ・ウグイなどといった遊泳魚類が遡上時期に遡上可能な工夫を提案しました。 | ||
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アユなどが遡上行動する時期に魚道のない既存の固定堰に遡上可能な工夫を提案しました。 |
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![]() 頭首工に設置された魚道 ![]() 落差工に設置された魚道 |
本研究室で提案した甲殻類および底生生物に配慮した魚道が実河川で施工されました。 遡上調査の結果、夜間にエビ・ハゼの遡上が確認できました。 |
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参考文献 1)安田陽一、大津岩夫、浜野龍夫、三矢康彦:エビ・カニ類に適した遡上水路の提案、河川技術に関する論文集、土木学会水理委員会河川部会、Vol.6、pp.149〜154、2000 2)安田陽一、大津岩夫、浜野龍夫、三矢康彦:多様な水生生物の遡上・降下可能な魚道の提案、河川技術に関する論文集、土木学会水理委員会河川部会、Vol.7、pp.221〜226、2001 3)Yasuda, Y., Ohtsu, I., Hamano, T., and Miya, Y.: A Proposed Fishiway to Facilitate the Upstream and Downstream Migration of Freshwater Shrimps and Crabs, Proc. 28th IAHR Congress, Theme B3-1, pp.312-317, Beijing, 2001. 4)安田陽一、大津岩夫、高橋正行、浜野龍夫、三矢康彦:甲殻類の遡上・降下可能な魚道の提案、第56回年次講演会、土木学会(講演予定) |